抄録
電顕オートラジオグラフィの統計的分析法として最近報告されたhypothetical grain analysisをマウス胎仔口蓋突起の8H-prolineの取込みに関する研究に応用し, この方法の有用性を検討した。得られた結果は, 以下の通りである。
(1) source compartment5項目, grain compartment7項目を用いて分析したとこ, hypothetical grainの分布とreal grainの分布の適合性を十分に満足せしめるsource densityの推定値が得られた。
(2) 得られたsource densityの推定値は, 従来にく用いられたgrain densityの値と類似した傾向を示したが, 前者の方が各compartment間の差が大きく, 大小関係の比較検討が, 後者にり厳密に行い得ることがわかった。