歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
軟骨内の化骨核の微細構造について
森 陵一後藤 周二滝口 励司
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1981 年 23 巻 1 号 p. 9-15

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抄録

胎生期後半の胎児の胸骨の軟骨性原基に形成されている化骨核を用いて, 軟骨内骨化に伴って形成された石灰化軟骨基質と, 骨基質との微細構造を, 主として走査電子顕微鏡によって検索し, 次のような結果を得た。
化骨核の最表層の肥大層の軟骨小腔壁には, 表面が顆粒状のきわめて多数の石灰化球が形成されている。肥大層の縦走基質は索状で石灰化している。骨化層の骨梁の中心部を形成している石灰化軟骨基質は, 大部分が密な石灰化基質で形成されているが, 局所的には, 表面がきわめて多数の屈曲している膠原原線維の小突起で形成されている石灰化球が不完全に癒合しているのが認められる。石灰化球の間隙は膠原原線維で構成されている。骨化層の石灰化軟骨基質の石灰化度はきわめて高く, 表層に付加されている骨基質は, 石灰化軟骨基質よりも石灰化度がきわめて低い。骨基質に散在している骨小腔壁は, 密な膠原原線維網で形成されている。

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