歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
ミエロペルオキシダーゼによるステロイドの代謝
小田島 武志尾西 みほ子佐藤 尚子
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1981 年 23 巻 3 号 p. 489-497

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抄録

ミエロペルオキシダーゼ-H2O2-ハロゲンイオン系によって, 3位に水酸基を持つステロイドホルモン (エストロン, エストラジオール及びエストリオール) が酸化された。これらのステロイドは, 反応系にハロゲンイオンの存在しない条件においても, 即ち, ミエロペルオキシダーゼ-H2O2-系でも酸化されたが, その酸化反応後 (酸化生成物) の分光スペクトルは, ハロゲンイオンの存在する反応系のものとは異っていた。エストリオールがミエロペルオキシダーゼ-H2O2-塩素イオン系によって酸化されたとき, 少くとも2種類以上の酸化生成物が存在することが高速液体クロマトグラフィーによって検出され, 結果として, エストリオールがミエロペルオキシダーゼ-H2O2-塩素イオン系によって酸化分解されることが明らかにされた。

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