歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
炎症性疼痛に対する各種抗炎症薬と塩酸リドカインの併用効果
柴田 学大久保 つや子高橋 宏
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 26 巻 3 号 p. 872-881

詳細
抄録

クロトン油並びにホルマリン起炎によるラット足蹠の持続性炎症疼痛に対しての浸潤麻酔効果と2-3の抗炎症薬, 鎮痛薬 (全身投与) との併用による疹痛抑制効果について検討した. Lidocaine (2%, 0.05ml/paw) に対してaspirin, aminopyrine hydrocortisoneの併用は顕著な協力作用を生み, 各単独の抑制作用よりも強力かつ持続性の鎮痛作用を示した.特にaspirin, 400mg/kg, p.o.の併用は最も顕著な相乗的併用効果を示した. しかしmorphine 3mg/kg, s, c.は単独では強い鎮痛作用を示すもののlidocaineとの併用では, 全く協力関係は見出せなかった. mefenamic acid, 200mg/kg, p.o.もmorphineと同じく, lidocaine単独作用に無影響であった. これらの成績を各併用薬のもつ生体膜安定化の作用と関連させながら, 協力関係発生の機序について考察した.

著者関連情報
© 歯科基礎医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top