歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
アマルガム粉末経口投与におけるラット体内での水銀分布
高橋 好文河合 達志長谷川 二郎大坪 義和亀山 洋一郎
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1985 年 27 巻 2 号 p. 417-422

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抄録

アマルガム粉末を飼料に混入しラットに投与した際の水銀の体内分布について検討した。ラットを4匹ずつ5群に分け, 第1群は対照として蒸留水, 第2群, 第3群はそれぞれ10ppm, 20ppm硝酸第一水銀溶液, 第4群, 第5群はアマルガム粉末をそれぞれ10%, 20%含む飼料を与えた。ラットは4週間後屠殺し, 脳, 肝臓, 腎臓中の水銀の測定, 並びに組織学的検索を行なった。水銀の測定は金アマルガム気化装置に原子吸光光度計を接続して行なった。水銀の体内分布は硝酸第一水銀投与群 (第2群, 第3群) の場合, 腎臓に多く, 脳, 肝臓ではほぼ同程度であった。一方, アマルガム粉末投与群 (第4群, 第5群) では, 腎臓に多く, 次いで脳, 肝臓の順であった。各臓器について組織学的観察を行なった結果, 病理学的変化は認められなかった。

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