1985 年 27 巻 2 号 p. 649-657
ジャコウネズミ・ジネズミ (食虫類) 顎下腺顆粒管細胞について, 光顕及び電顕的に検索した。両動物において顆粒管は形態的には同様であり, 発達は雌より雄の方がより優っている。
筋上皮細胞は近位部の顆粒管, 遠位の線条部までも出現し, 特徴的な分布を示す。
両動物の分泌顆粒は種々の大きさを示し, 組織化学的に中性の糖蛋白を含む, また形態的にジネズミの顆粒の方がジャコウのネズミのもよりも電子密度が高い。
特異なミエリン様小体が両動物の顆粒管細胞に含まれる。これらは粗面小胞体に由来し, つぎつぎと形成され, 唾液の一成分として分泌されることが示された。