歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
Studies on the lytic enzyme from Streptococcus mutans VI The correlation between the lytic ability and bacteriocin activity against Streptococcus sanguis, and artificial plaque forming ability of oral bacteria Streptococcus mutans
Hisae BabaKeiko Kanamori
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1985 年 27 巻 3 号 p. 980-984

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抄録

Streptococcus (S.) mutansS. sanguisに対する溶菌作用活性, bacteriocin活性および人工歯垢形成能を測定し, これらの因子間の関連性について検討した。S. mutansは20名の幼児の歯垢から分離した104株 (serotype c/e/f: 104株とd/g: 15株) を用いた。c/e/f型のS. mutansは, S. sanguis ATCC 10558株に対して良好な溶菌作用を示したが, ATCC 10556株と10557株に対してはまったく溶菌作用を示さなかった。また, これらのS. mutans株は, S. sangecis ATCC 10556と10557の2株に対して朗なbacteriocin活性を示したが, ATCC 10558株に対しては比較的弱い瀧を示した。また, S. mutansの菌株の違いによってもその強さは異なった。
一方, d/g型のS. mutansS. sanguis ATCC 10558株に対してのみ溺い漉活性を示し, さらにbacteriocin活性もいつれのS. sanguis株に対しても非常に弱い活性しか示さなかった。しかしながら, 人工歯垢形成能は, c/e/f型の菌株に比べて明らかに高い形成能を示した。これらのことから, これらの3因子はS. sanguisの増殖の抑制という点で互いに相補的関係を示す傾向があることがわかった。
以上の結果から, 生体中においてもS. mutansS. sanguisに対して溶菌作用を示すものとすれば, 溶菌作用や人工歯垢形成能もまた, bacteriocin活性とともに歯垢中のS. sanguisの減少に少なからず関与する可能性があることが示唆された。

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© Japanese Association for Oral Biology
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