歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
カイウサギの外頸動脈の分枝状況について
八十 一博
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1988 年 30 巻 2 号 p. 144-155

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抄録
カイウサギの外頸動脈の分枝状況をアクリル樹脂注入法によって, 成熟カイウサギ740側について観察した。外頸動脈の主要分枝として舌動脈, 顔面動脈, 後頭動脈が認められた。舌動脈の起始様相を5型に分類し, これと他の分枝ならびに後頭動脈の起始源 (6型) を考慮して外頸動脈諸分枝との相関関係を総括した。総頸動脈は第1頸椎中央の高さで内頸動脈と外頸動脈に分岐していた。外頸動脈は, 顎二腹筋と茎突舌筋の間を通って, それらの外側に出て下顎枝中央の高さで顎動脈と浅側頭動脈の2終枝に分岐していた。しかし, この分岐位置がより近位 (低位) のものも認められた。舌動脈と顔面動脈は外頸動脈まれに顎動脈から, 舌顔面動脈 (幹) をへて, または単独で起始していた。とくに顔面動脈が顎動脈から起始する場合は外頚動脈の2終枝分岐位置がより近位 (低位) であった。一方, 後頭動は椎骨動脈, 内頸動脈, 外頸動脈 (第1枝または第2枝), 後耳介動脈, 浅側頭動脈のいずれかから起始していた。外頸動脈の2終枝分岐の位置がより近位 (低位) で外頸動脈が短い例では外頸動脈からの分枝は認められなかった。
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