歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
Mechanical stress による骨改造機構に関する研究
骨改造機構における骨芽細胞と骨髄細胞の相互作用因子について
清水 義之千葉 美麗清水 義信三谷 英夫
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1990 年 32 巻 2 号 p. 123-134

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抄録

マウスの骨芽細胞 (1×105cells) と骨髄細胞 (1×106cells) をmillicell (Millipore社) を介してco-cultureすることにより, 骨改造機構におけるこれらの細胞の分化と増殖に対する相互作用因子の影響を調べた。その結果, 骨芽細胞とco-cultureした骨髄細胞では, 培養3日目から細胞数およびcellular DNA合成の著明な増加が認められた。また, 4日間骨芽細胞とco-cultureした骨髄細胞を細胞分化抗原のモノクローナル抗体を用いてFACSで解析すると, 増殖した細胞はMac-1およびLFA-1抗原陽性細胞であった。次に, 骨芽細胞のALPase活性は, 骨髄細胞とのco-cultureにより培養3日目から明らかに抑制された。以上の結果より, 骨芽細胞と骨髄細胞は両者の分化機能をコントロールする因子を相互に産生していることがわかった。このことより, 生理的な骨改造機構は骨芽細胞と骨髄細胞の相互作用因子により制御されていることが示唆された。

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