歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
サンドイッチ ELISA によるA型・B型混合唾液とAB型唾液との識別およびそれらの斑痕試料の識別と血液型抗原の定量
大場 有一
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1990 年 32 巻 2 号 p. 135-150

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抄録

サンドイッチELISA-HRP発色法を応用して, A型とB型の混合唾液斑とAB型唾液斑との識別ならびに血液型抗原の定量について検討した。抗体は一次抗体としてポリクローナルウサギ抗Aおよびヤギ抗B抗体, 二次抗体としてモノクローナル抗Aおよび抗B抗体を用いた。A型・B型混合唾液斑の場合, ポリクローナル抗A抗体を固相化したプレートではA型抗原のみ, またポリクローナル抗B抗体を固相化したプレートではB型抗原のみ検出され, またAB型唾液斑の場合は両方のプレートでA型およびB型抗原がともに検出された。これらの反応はSe型およびse型に関わらず認められた。この違いにより, A型とB型の混合唾液斑とAB型唾液斑との識別は可能であった。また本法では, backgroundを極めて低くおさえることが可能であった。つぎにヒト胃粘膜由来の標準試料を用いて検量線を作製し, 血液型抗原の自動定量を試みたところ, 6カ月間経過した斑痕試料からも良好な定量値が得られた。

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