歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
成長に伴うラット関節軟骨細胞外基質の変化に関する免疫組織学的研究
古澤 満
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1995 年 37 巻 1 号 p. 37-49

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抄録
本研究はラット脛骨を観察の対象とし, 関節軟骨 (膝関節) の形成過程に於けるI型およびII型コラーゲンとグリコサミノグリカン (GAG) の局在に注目し, 成長板軟骨と比較して免疫組織学的に検討した。2, 5, 8週齢のWistar系ラットを固定後, パラフィンに包埋し連続切片を作製し, H-E染色およびアルシアンブルー (AB) 染色 (pH2.5) を行った。さらに隣接切片を抗I型コラーゲン抗体と抗II型コラーゲン抗体, およびGAGに対するモノクローナル抗体 (2-B-6, 3-B-3, 5-D-4) を用いて免疫染色を施した。I型コラーゲンの反応は関節面直下の軟骨基質に観察され, その分布領域は増齢に伴い広がる傾向が見られた。さらに増齢に伴いABの染色性の低下と2-B-6抗体による免疫染色性の低下が認められた。これに対して成長板では, 上記のような変化は認められなかった。これらの所見から関節軟骨は, 成長板軟骨とは異なる基質の特性を持つことが示唆された。
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