抄録
2つの独立な窓口が直列にならんだ待ち行列システムを考える。それぞれの窓口のサービス時間は指数分布で表わされ、客の到着もポアソン到着するとする。サーバーは1人で、このサーバーは同時に2つのうち、一方の窓口しかサービスできない。このとき、到着客を受理すべきかという到着客のコントロールと、どちらの窓口をサービスしたらよいかというサービス方法のコントロールの複合問題を考え、最適政策の単調性を求めた。この問題を、セミ・マルコフ決定過程で定式化し、状態の推移を作用素を用いて表現すると、簡単になるだけでなく、従来、別働に行われてきた到着客のコントロールとサービス方法のコントロールの単調性を導くための凸性が、同時に取り扱うこの問題に対しても、負の項に注目することによって、統一的に解析することができた。