抄録
日本からこれまで記録がなかったキモグリバエ科Siphunculina属の2新種と3新記録種を記載し, 雄交尾器を図示した。新種はSiphunculina nitidissima sp. nov.およびS. simulata sp. nov.である。新記録種はS. striolata (Wiedemann), S. aenea (Macquart), S. nidicola Nartshukである。本属の幼虫は食糞性とされ, 東南アジアに眼病を媒介する1種が知られている。日本でもヒグマの糞からS. aeneaの幼虫ならびに成虫が, サギの巣中よりS. nidicolaの成虫が記録され, またウシの糞に集まっていたS. simulataの成虫が採集された。