本論文は, 集団意思決定を効果的に行うために, 新しい手法「集団意思決定ストレス法」を提案し, Analytic Hierarchy Process (AHP)への適用を検討する. この手法は, 評価者の原始データ(見解)を操作することなく, 各評価者の不満の総和(集団意思決定ストレス)を最小化する評価者格付けを行う. 参加者の合理的な格付けの結果, 類似見解が多い見解の持ち主の重みは大きくなり, 孤立した見解の持ち主の重みは小さくなるが, それぞれの重みが不当に重んじられたり軽んじられたりすることはない. この手法を用いることにより, 類似見解グループの探索や, それに基づく集団案の収斂が行いやすくなる.