日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌
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ナース・スケジューリングに有効なアプローチ : 2交替制アルゴリズムにおける実現
池上 敦子丹羽 明
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1998 年 41 巻 4 号 p. 572-588

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抄録

この論文ではナース・スケジューリングを解くための有効なアプローチを提案する. ナース・スケジューリング問題の拘束条件は大きく2種類のものに分けることができる. 1つは毎日の勤務に支障を起こさないための勤務メンバー構成に対するもの(縦の条件), もう1つは無理のない勤務の並びや休みや勤務の回数といった各看護婦毎に考慮すべきもの(横の条件)である. 提案するアプローチでは, これらを切り分けて看護婦毎に部分問題を定義する. 各看護婦に与えられた横の条件を拘束条件とし, 毎日の勤務に対する「縦の条件を満たさない度合い」最小化を目的関数として与える. そして, これらの部分問題を繰り返し解くことによって全体としての実行可能解を得ようとする考え方である. 具体的には, 各看護婦について実行可能勤務パターンを作成し勤務メンバー構成条件にあわせてこれらを組み合わせていく. 提案するアプローチを実現するために2交替制の問題に対するアルゴリズムを構築し実際の問題を解いた. このアルゴリズムは数多い拘束条件に対して効率よく実行可能解を与えた.

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© 1998 日本オペレーションズ・リサーチ学会
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