日本視能訓練士協会誌
Online ISSN : 1883-9215
Print ISSN : 0387-5172
ISSN-L : 0387-5172
一般講演
Alcohol-guided PRK(A-PRK)におけるwavefront-customized照射の有意性
中村 秋穂稲井 隆太長浜 小映子石井 祐子南雲 幹堀川 良高若倉 雅登井上 賢治
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 39 巻 p. 173-179

詳細
抄録

目的:井上眼科で行っている近視矯正手術・Alcohol-guided photorefractive keratectomy(A-PRK)にて、wavefront- customized A-PRK(以下、WF(+))と通常のA-PRK(以下、WF(-))の術後成績の比較・検討をした。
対象と方法:対象は、A-PRKを施行し6ヶ月まで経過観察可能であったWF(+)26例52眼(平均年齢30.8±4.9歳:男性11例、女性15例)、WF(-)45例89眼(平均年齢33.7±7.9歳:男性15例、女性30例)、術前の自覚的屈折度の平均等価球面度数はWF(+)-5.43±1.65D(-1.75~-9.50D)、 WF(-)-6.87±2.25D(-1.25~-12.50D)であった。術後1日、3~5日、1週間、1、3、6ヶ月の裸眼視力、自覚的屈折度、矯正精度、術前・術後6ヶ月でコントラストグレアテスト(CGT-1000)を測定し、それぞれの群で比較した。
結果:裸眼視力の平均の経過は両群とも術翌日に0.5~0.6、3~5日に0.4と低下するがその後回復し、1ヶ月では1.0以上となった。術後の等価球面屈折度は、WF(+)の方が各測定時で有意に矯正誤差が小さかった(p<0.05)。コントラスト感度の術前・術後では、WF(+)に比べWF(-)では感度の低下があり、全視角で有意に低下した(p<0.05)。グレア光源負荷コントラスト感度では術前と比べWF(+)は向上、WF(-)は低下し、視角6.3、2.5、1.6、0.7deg.で両群間に有意差を認めた(p<0.05)。
結論:A-PRKにおいてもWF(+)はWF(-)に比し、より矯正精度が高く、さらに、良質な見え方が期待できることが示唆された。

著者関連情報
© 2010 日本視能訓練士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top