日本視能訓練士協会誌
Online ISSN : 1883-9215
Print ISSN : 0387-5172
ISSN-L : 0387-5172
最新号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
第64回 日本視能矯正学会
特別講演
  • 西口 康二
    2024 年54 巻 p. 1-6
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    ジャーナル フリー

    2008年に先天性に発症する重症な網膜ジストロフィに対する遺伝子治療の成功が初めて報告されて15年が経過し、2023年に同治療がルクスターナTMとして本邦で薬事承認された。これによって、眼科領域でも本格的にゲノム医療の時代が幕を開けた。しかし、同治療により、高度に低下していた網膜感度が大幅に改善させることが可能となった一方で、低視力の問題は解決しないことや術後に網脈絡膜萎縮が発症することなどの課題が報告されている。また、保険診療で遺伝病に対する遺伝子特異的な治療を行うにあたっては、保険診療のもとで広く遺伝子検査を実施するシステムの整備が必要となる。本稿では、本邦での網膜遺伝子治療に関する諸問題について考察する。

シンポジウム
  • 岡 真由美, 星原 徳子, 河原 正明
    2024 年54 巻 p. 7-13
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    ジャーナル フリー

    後天眼球運動障害に対する効果的な視能訓練療法の実践のため、fusion lock trainingの原理について、両眼視眼位のコントロールシステムのモデルと外眼筋自己受容器系による相反神経支配の再建の観点から考察した。両眼視眼位のコントロールシステムのモデルでは、網膜像のずれ(複視)が生じた時に、それを減少させるために速い融像運動を生じ、vergence adaptationを引き起こす。vergence adaptationは長期にわたるmuscle length(以下、外眼筋の長さ)のadaptationを刺激する。それにより機能的で正確な外眼筋の長さをもたらし、両眼視眼位が保持されるようフィードバックされる。このモデルを利用すると、複視に対して融像刺激を与えることでvergence adaptationと外眼筋の長さのadaptationが作動し、両眼視眼位の保持が可能となる。この融像刺激がfusion lock trainingである。fusion lock trainingにおいて融像下での滑動性追従運動を負荷したとき、外眼筋の伸展情報は外眼筋自己受容器系に伝わり、外眼筋の長さのadaptationが作動して機能的で正確な筋の長さが保持される。これら一連の過程は相反神経支配の再建を図り、麻痺筋の機能回復とともに同側眼の拮抗筋の痙縮を予防または解除し、融像野の拡大を可能にすると説明できる。また後天眼球運動障害の治癒度には、vergence adaptationや外眼筋自己受容器の神経学的メカニズムが作動する時期および神経損傷の程度、融像状態が影響すると考えられた。後天眼球運動障害に対する視能訓練療法においては、患者一人ひとりの病態に応じた神経生理学的な原理に基づくアプローチを行い、アウトカムの向上を図る必要がある。

一般講演
  • 水本 強一, 寺尾 春香, 岡 佑典, 瓶井 資弘
    2024 年54 巻 p. 15-22
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    ジャーナル フリー

    【目的】テクニスアイハンス®(TE)を両眼挿入した患者を両眼遠方視(BV)とモノビジョン(MV)とに群分けし、日常生活での術後満足度を比較する。

    【対象および方法】愛知医科大学病院においてTEまたはTEトーリックを両眼に挿入して術後3か月以上が経過し、両眼裸眼視力値が小数視力0.7以上の患者59例を後ろ向きに選択した。結果として術後に生じた自覚的屈折度数の左右差が0.50ジオプター(D)以下をBV(32例、平均年齢71.4±8.63歳)、0.60 D以上1.50 D以下をMV(27例、平均年齢71.0±11.0歳)に群分けした。日常生活のうち、運転・散歩・買い物・テレビ・料理・食事・パソコン・新聞/読書・スマートフォンについて、両眼裸眼で5点尺度の満足度アンケートを実施し、BVとMVで比較した。満足度に影響する因子について満足度を目的変数、ステップワイズ法により選択された性別・モノビジョンの有無・術後自覚的等価球面度数・5 mおよび50 cmの両眼裸眼視力値を説明変数とした重回帰分析を実施した。また、術後眼鏡使用率を比較した。

    【結果】術後の両眼裸眼視力は、30 cmと40 cmの距離でMVの方が有意に良好であった。食事・新聞/読書・スマートフォンの場面では、モノビジョンの方で満足度が高かった。満足度に影響する因子は性別で、女性の方で満足度が高かった。術後眼鏡使用率は、BVが78.1%、MVが29.6%であった。

    【結論】TEでの屈折差1.00 D程度のモノビジョン狙いは術後満足度が高く、術後眼鏡の使用率も低くなると考えられる。

  • 森 愛夢, 奥出 祥代, 林 孝彰, 溝渕 圭, 髙見 遥, 日暮 憲道, 中野 匡
    2024 年54 巻 p. 23-28
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    ジャーナル フリー

    【目的】遺伝性網膜疾患が疑われ、静脈麻酔下でコンタクトレンズ型(CL)電極を用いて網膜電図(ERG)記録を試みた小児例を報告する。

    【症例】5歳の女児。間欠性外斜視で前医を受診した。その際に両眼黄斑部に漿液性網膜剥離を認め、常染色体潜性ベストロフィノパチーが疑われた。小児科医管理のもと静脈麻酔下でCL電極を用いたERGは、ノイズの少ない波形が記録された。杆体系ならびに錐体系応答は、正常振幅を示した。全エクソーム解析による遺伝学的検査では、既知の遺伝子変異は検出されなかった。

    【考按】小児科医管理のもと静脈麻酔下でCL電極を用いて信頼性の高いERGを記録することができ、患児の病態評価に有用であった。

  • 安藤 千陽, 得居 俊介, 野田 聡実, 池田 史子, 中尾 敦子, 秋山 英雄
    2024 年54 巻 p. 29-34
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    ジャーナル フリー

    【目的】未熟児網膜症(ROP)に対する抗VEGF療法後は網膜光凝固と比較して近視化が少ないと報告されている。網膜光凝固、ラニビズマブ硝子体内注射(IVR)によるROP治療後の屈折値を比較検討した。

    【対象と方法】2012年~2022年に治療を要したROP症例で1歳前後に屈折値を測定できた45例90眼。A群:2019年以前の光凝固群、B群:2020年以降の光凝固群、C群:IVRのみ群、D群:IVR後に光凝固追加群に分けて、出生体重、在胎週数、初回治療時の修正週数、屈折値を後ろ向きに検討した。

    【結果】平均出生体重はA群639 g、B群804 g、C群715 g、D群672 gでA群がB群より有意に少なかった(p<0.05)。平均在胎週数はA群24.6週、B群26.1週、C群25.6週、D群24.6週でA群とB群、A群とC群、C群とD群で有意差があった(p<0.05)。初回治療時の修正週数の平均はA群35.2週、B群38.7週、C群36.6週、D群34.6週で、A群とB群、C群とD群で有意差があった(p<0.05)。平均等価球面値はA群(-5.25D)とB、C、D群(-0.85D、+0.32D、-0.12D)で有意差があり、BCD群はA群と比較し有意に近視度数が少なかった(各p<0.01)。

    【結論】IVRが導入された2020年以降治療を受けた未熟児の1歳時における近視化が抑制されていた。

  • 小宮 幸奈, 岡村 珠里, 中川 真紀, 友寄 乃裕, 太根 ゆさ, 林 孝雄
    2024 年54 巻 p. 35-39
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    ジャーナル フリー

    【緒言】内斜視を呈したFOXG1症候群の症例を経験したので報告する。

    【症例】7か月女児。7か月健診にて筋緊張低下、寝返り未、内斜視、定頸不十分を指摘され、当院小児科を受診。内斜視精査のため、当科受診となった。初診時眼位は正位だったが、過度な輻湊がみられた。1歳1か月以降は過輻湊を伴う内斜視となることが多く、左眼の中心固視が確認できなくなった。一方、小児科で行った遺伝子検査では、forkhead box G1(FOXG1)遺伝子変異が見つかった。

    【考案】FOXG1症候群は稀な疾患であるが、眼位異常を主訴に眼科を受診する可能性もあると考える。乳児の斜視をみた際は、全身疾患の合併も念頭におく必要がある。

  • 中尾 善隆, 木村 格
    2024 年54 巻 p. 41-48
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    ジャーナル フリー

    【目的】小児に用いた光学式バイオメトリーで取得された眼球生体パラメータから調節麻痺下における等価球面度数(SE)とSEの左右差(不同視差)を予測すること。

    【対象および方法】対象は調節麻痺薬前後の屈折検査および眼球生体計測を受けた小児とし、予測式を作成する為の予測群(81例)と年齢をマッチングさせた検証群(18例)に分けた。重回帰分析に予測群の眼球生体パラメータを当てはめてSEを予測する回帰式を作成した。回帰式に検証群の眼球生体パラメータを当てはめて予測SEを算出し、予測SEの左右差を予測不同視差とした。調節麻痺下実測値を真の値と仮定し、予測値と非調節麻痺下実測値のいずれが真の値に近いかを検討した。

    【結果】最適な予測式は、予測SE[D]=4.13+(-2.47×眼軸長[mm])+(6.17×角膜曲率半径[mm])+(1.47×前房深度[mm])であった。真の値との誤差の割合は、予測SEと非調節麻痺下実測SEで同程度であったが(p>0.05)、予測不同視差は非調節麻痺下不同視差を上回った(p<0.03)。

    【結論】眼球生体パラメータから不同視差を高精度で予測できた。

  • 石川 奈津美, 小野 峰子
    2024 年54 巻 p. 49-56
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    ジャーナル フリー

    【目的】コンピテンシーとは一般的に「優秀な仕事の結果を生み出す人は、どのような行動をとっているか」という行動特性を指す言葉である。本研究の目的は、コンピテンシー・モデル作成の第一段階として、コンピテンシー・ディクショナリーを参考に、有能な視能訓練士のコンピテンシー項目を抽出することである。

    【対象および方法】本研究は半構造化面接を基にした質的研究であり、対象は管理的立場にある視能訓練士12名である。質問は、有能な視能訓練士はどのような行動をとっているかとその理由を含む4項目とした。分析は、インタビュー内容を逐語録にし、コンピテンシー・ディクショナリーの20項目の定義を参考に、該当するコンピテンシーをまとめた。

    【結果】臨床における有能な視能訓練士に必要なコンピテンシーは、「柔軟性」「自己確信」「他の人たちの開発」「技術的・専門的・経営的能力」「顧客サービス重視」「対人関係理解」「達成重視」「イニシアティブ」「分析的思考」「情報探求」「チームワークと協調」「概念化思考」「インパクトと影響力」「関係の構築」「セルフ・コントロール」「秩序・クオリティ・正確性への関心」「組織の理解」「チーム・リーダーシップ」「指揮命令」の19項目であった。

    【結論】臨床における有能な視能訓練士に必要なコンピテンシーは、コンピテンシー・ディクショナリーの20項目中19項目に該当することが明らかになった。

  • 栗田 斉, 四宮 加容, 直江 幸美, 森下 恵美子, 猪本 尚毅, 三田村 佳典
    2024 年54 巻 p. 57-61
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    ジャーナル フリー

    【目的】内斜視が斜位に保とうとする開散運動に伴い、他覚的屈折値がプラス寄りに変動した症例を報告する。

    【症例】27歳女性。内斜視で複視の自覚があり、精査加療目的で当科受診。他覚的屈折値は右-6.75 D〜-15.25 D、左-5.50 D〜-9.50 Dとばらつきがあった。30△内斜視があり、斜位に保とうとする随意的な開散運動がみられた。斜位の状態で他覚的屈折値は右-7.00 D、左-4.75 Dとプラス寄りに変動した。斜視手術後、8△内斜位となり、他覚的屈折値の変動は減少した。

    【結論】内斜視があり斜位に保とうとする開散運動がみられる症例は、他覚的屈折値が変動する可能性があり、屈折検査で注意が必要である。

  • 久我 芹奈, 後関 利明, 尾内 宏美, 飯田 貴絵, 青木 匠, 塩谷 直子
    2024 年54 巻 p. 63-66
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    ジャーナル フリー

    【目的】遠見斜視角が小角度の輻湊不全型外斜視に対し、片眼内直筋plication術を施行した4例を経験したので報告する。

    【症例】37-69歳の女性3例、男性1例に対し片眼plication術4-6.5 mm施行。

    術前眼位:遠見2ΔXP~10ΔX (T)、近見14ΔXT'~25ΔX (T)'、術後眼位:遠見2ΔXP~4ΔXP、近見8ΔXP'~14ΔX (T)'であった。

    術後一時的に過矯正になった症例もあったが、3-6か月の経過で遠見、近見ともに斜位を保持、自覚症状も改善された。

    【考按】過矯正のリスクがある小角度の斜視、特に輻湊不全型外斜視に対する術式として、片眼内直筋plication術は有効な術式の一つと考えた。

  • 青木 匠, 後関 利明, 尾内 宏美, 高橋 慎也, 塩谷 直子, 久我 芹奈
    2024 年54 巻 p. 67-71
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    [早期公開] 公開日: 2024/12/26
    ジャーナル フリー

    【目的】過去に注視方向による眼圧変化を調べた報告は少ない。基本的に眼圧は正面視をした状態での測定となるが、ポータブル眼圧計iCareを用いることで固視が保持できず正面視が困難な患者に対しても麻酔を使用せず眼圧測定が可能となった。そこで今回我々は、注視方向で眼圧が変動するのか正常眼で検討した。

    【方法・対象】対象は同意を得られた20-49歳の屈折異常以外に眼疾患を有さない健常ボランティア40名80眼、男性15名、女性25名、平均年齢27.8±4.6歳であった。Hessチャートプロジェクターを用いて注視角度を設定し、正面、外転位、内転位10°、30°、50°の計7点の眼圧を、座位にてiCare(IC-100®)を用いて測定した。

    【結果】各注視点を固視した時の平均眼圧値(mmHg、右/左)は、正面:15.1±3.0/14.8±2.6、外転10°:14.6±3.6/14.8±3.1、外転30°:16.4±3.9/17.2±3.7、外転50°:19.2±3.9/19.4±4.3、内転10°:14.5±3.0/14.0±3.1、内転30°:14.6±3.0/14.0±3.0、内転50°:16.5±3.8/15.6±3.5であった。正面と比較し外転30°、50°で有意に上昇した。内転、外転同角度の比較では、30°、50°で内転より外転で有意に高値であった。左右眼では同角度で有意差を認めなかった。

    【結論】水平方向の注視方向に伴う眼圧は、正面視に比べ外転30°、50°で有意に上昇する。

  • 種本 寛加, 木村 眞理子, 木村 久
    2024 年54 巻 p. 73-80
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    ジャーナル フリー

    【目的】間欠性外斜視に対する訓練療法において、効果獲得が少ない例では訓練を終了するかどうかの判断に迷うことがある。そこで、絶対融像幅/偏位量比(以下、融像/偏位比)の目標値を3.0として、その獲得に影響する因子に焦点を絞って分析し、訓練の終了時期について検討した。

    【対象および方法】訓練を行った間欠性外斜視の16例(男10例、女6例、7〜15歳)を後ろ向きに調べた。そして、訓練前の輻湊不全(なし/あり)、理解・意欲(良/不良)、アドヒアランス(良/不良)、訓練開始時年齢(10歳以上/10歳未満)、性別(男/女)、偏位量(30 ⊿未満/30 ⊿以上)、訓練前の抑制(なし/あり)の7因子において症例を2群に分け、融像/偏位比3.0に到達する過程を因子ごとにカプラン・マイヤー曲線で表した。そしてログランク検定で関連する因子を分析した。

    【結果】目標到達期間の中央値は14週であった。訓練前の輻湊不全の有無、理解・意欲、アドヒアランス、訓練開始時年齢では2群間の到達率に有意差を認めた(p<0.05)。一方、性別、偏位量、訓練前の抑制の有無は2群間に有意差を認めなかった。

    【結論】有意差を認めた因子のうちアドヒアランス、理解・意欲は、訓練を工夫しつつ対応することで変化させうる、治療者が手を加えることのできる因子であるといえる。このため、訓練期間が14週に及んだ場合でも訓練を終了せず継続することに意義はあると考えられた。

  • 丹沢 慶一, 野原 尚美, 亀山 咲子
    2024 年54 巻 p. 81-86
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    [早期公開] 公開日: 2024/10/09
    ジャーナル フリー

    【目的】視能訓練士養成課程の学生を対象に、オンラインによる多職種連携教育(以下、IPE)の受講が「社会的スキル」に与える影響を調査した。

    【対象および方法】対象は2021年から2022年までにオンラインでのIPE(以下、オンラインIPE)を受講した視能訓練士養成課程の2年次生(以下、視能訓練士学生)83名(19.4±0.5歳)とした。オンラインIPEの主な内容は、web会議ツールZoomを使用したグループワークとした。1つのグループは、5~8名の医療専門職の養成課程の在学生で構成された。参加者は、視能訓練士学生の他、医師、薬剤師、看護師等の医療専門職者養成課程の学生(約300~400名)であった。

    社会的スキルの評価にはKikuchi's scale of social skills: 18 item(以下、KiSS18)を用いた。評価はオンラインIPEの前日と直後に実施した。

    【結果】KiSS-18において、総合得点およびサブカテゴリの「初歩的スキル」、「高度なスキル」および「攻撃に代わるスキル」の得点はオンラインIPE後で有意に増加した(p<0.05)。一方で、「感情処理のスキル」、「ストレスを処理するスキル」および「計画のスキル」の得点には、オンラインIPE前後で有意な差がなかった。

    【結論】オンラインIPEは、視能訓練士養成課程の学生の社会的スキルの「初歩的スキル」、「高度なスキル」および「攻撃に代わるスキル」を向上させた。

  • 岩崎 留己, 蕪 龍大, 福田 莉香子, 松本 栞音, 古島 京佳, 竹下 哲二
    2024 年54 巻 p. 87-91
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/02/22
    [早期公開] 公開日: 2024/10/23
    ジャーナル フリー

    【目的】座位から仰臥位への姿勢の変化による眼球回旋方向と回旋偏位量を検討した。

    【対象および方法】対象は、健常ボランティア51名102眼(21.4±3.4歳)。回旋角度計測用の直線を印字したシールを両下眼瞼に貼り、片眼を遮眼子で遮閉した。座位および仰臥位で片眼ずつ撮影した。パソコン上で画像を重ね合わせ、眼球回旋の方向と角度変化を測定した。

    【結果】内方回旋が76眼(74.5%)、外方回旋が17眼(16.7%)、回旋なしが9眼(8.8%)だった。平均回旋偏位量は1.92±1.22°であった。両眼とも内方回旋が29例(56.9%、2.33±1.08°)、両眼とも外方回旋が3例(5.9%、1.03±0.96°)、同側性の回旋が10例(19.6%、1.83±1.14°)、片眼のみの回旋が9例(17.6%、0.96±1.15°)だった。両眼とも回旋しなかった症例はいなかった。

    【考按】本研究において、画像比較法やパネル法などによるトーリックIOLの軸合わせの際には、姿勢変化によって内回旋している可能性を考慮する必要があることが示唆された。

feedback
Top