抄録
目的:本校では今年度より学生に検影法を視能訓練士の、重要な能力として習得させるという目標をたてた。
現状の把握:我々は、まず眼科臨床での検影法の活用状況について現状を知るため、本校卒業生へのアンケートを実施し、調査を行った。結果は、視能訓練士が実際に検影法を実施している施設は少ないが、その技術を習得する必要性は大いに感じている、ということであった。
対象及び方法:アンケート結果より、視能訓練士の検影法に対するニーズの高さと、活用できていない現状を把握した。そこで4年制課程2年生18名を対象に新たに検影法習得のプログラムを作成し、一定の規定実習時間内で、どの程度の技術レベルになるのかを模型眼2眼と散瞳眼2眼を使って調査した。
結果:規定実習時間修了後の技術到達度チェックには、18名中7名、全体の39%の学生が合格した。合格基準は4眼全て±1.00D内の誤差とした。
結論:限られた授業および実習時間内では、理論や基本的な技術は身につくものの、臨床で活用できる技術を習得することは難しいことが分かった。今後も引き続き練習できる環境をつくる必要がある。