日本視能訓練士協会誌
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一般講演
臨床力形成を目指した臨地実習プログラムの検討~アンケート調査結果の報告から~
横田 敏子松本 美香岸上 幸代田保 和也橋本 諭平木 たい子赤松 滋子湖崎 克
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2016 年 45 巻 p. 205-214

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抄録

【目的】視能訓練士養成課程のカリキュラムの中で、特に臨地実習は重要と言える。多岐にわたる実習施設において、施設種別に実習内容や学生満足度等を分析することで、学生ひとりひとりにあった実習配置を考え、よりよい実習を目指すためアンケート調査を実施した。

【対象及び方法】対象は大阪医療福祉専門学校平成26年度卒業生、計57名、年齢21.9歳±2.15であった。平成27年2月10日に無記名で任意の下実施し、1人あたり3施設合計171枚を回収した。

【結果】施設別実習項目数と見学項目数に、有意差は見られなかった。20点満点での満足度は、大学病院18.55±0.60、総合病院16.84±0.32、眼科診療所17.79±0.63であり、大学病院と総合病院間で有意差がみられた。実習項目数と満足度の相関は、大学病院:r=0.401、総合病院:r=0.439、眼科診療所:r=0.429すべての施設で相関がみられた。見学項目数と満足度では、すべての施設で相関はみられなかった。

【結論】どの施設においても、患者の検査を実施した項目が多ければ、満足度が高いことがわかった。また大学病院が最も満足度が高いことがわかった。しかし実習・見学の内容に関しては、各施設によることが大きい。よって規模別だけではなく、施設の特徴・特性を考えた上で実習配置を考えれば、実学教育に基づいた実習ができると考えられる。

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© 2016 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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