2016 年 45 巻 p. 285-291
【目的】富山大学附属病院眼科ビジョンエイド外来の現状を報告する。
【対象と方法】ビジョンエイド外来を受診した51例について原因疾患、ニーズ、視覚補助具の選定及びロービジョンケアの内容について調査した。
【結果】原因疾患は網膜色素変性19例37%、黄斑変性11例21%、視神経萎縮6例12%、緑内障4例 8%、角膜障害3例6%、網脈絡膜萎縮3例6%、その他5例10%であった。ニーズは読み書き32例、羞明24例、生活の不安2例(複数回答あり)であった。視覚補助具は遮光眼鏡25例、拡大鏡16例、拡大読書器8例、文書読み上げ装置2例(複数選定あり)に処方した。補助具を購入した51例中46例90%は継続的に使用できていたが、視力低下が原因で拡大鏡購入者5例は日常的に使用できていなかった。
【結論】患者のニーズに応じた視覚補助具の選定は有効であった。視覚補助具を継続的に使用できない場合もあり使用状況を追跡していく必要があると考えられた。