抄録
3歳児健康診査視覚検査における視力検査にてpassとされるのは裸眼視力で各眼ともに0.5以上である。この基準については小辻、湖崎、神田らの研究があり、3歳児健康診査視覚検査において検出すべき疾患を早期発見が不可欠な疾患と想定した場合、この値は概ね妥当とされている。
また、視力検査に用いる視標についても検討がされている。用いられている視標にはランドルト環と絵視標がある。感度はほぼ同程度であるが、特異度については前者がすぐれる。一方、検査可能度においては後者が勝る。ランドルト環による視力検査の可能度は月齢と検査状況により異なるが、3歳6ヶ月でほぼ95%に達する。
視覚検査おいて検出され眼科にて弱視と診断された児は治療によりほぼ全例が就学前に正常視力を獲得している。斜視については両眼視機能の獲得が困難な事例もあるが少なくとも整容的改善が終了した状態での就学がほぼ可能である。