日本視能訓練士協会誌
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光線療法中に両眼遮閉を行った4例の斜視弱視について
三田 文子臼井 千恵
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1989 年 17 巻 p. 100-103

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抄録

新生児黄疸の光線療法においては,光線による網膜障害を防ぐため,両眼を終日遮閉することが慣行になっている.光線療法は,生後2日から10日の間に黄疸が顕著にみられる新生児に対し,通常1日から6日間程度行われることが多い.今回,私どもは,この4年間に光線療法を受けた既往のある中心固視不良弱視を4例経験し,両眼遮閉との因果関係について若干の考察を行った.その結果,新生児黄疸の治療目的で光線療法を受けた既往のある成熟児4例中,内斜視で上下偏位のみられない3例の中心固視不良弱視の発生の誘因として光線療法中の両眼遮閉が関係している可能性を示唆し,今後,生後早期の終日両眼遮閉と弱視発生との関係について検討の余地があることを示した.

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