日本視能訓練士協会誌
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シンポジウム「小児の心身症」チック症
星加 明徳
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1990 年 18 巻 p. 26-31

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抄録

チック症は,脳機能の偏りおよび神経伝達物質の異常と密接な関連を有している.
チック症の発症は,主として3-8歳であるが3歳と5-8歳に多く,二峰性の分布を示す.最も多くみられる症状はまばたきであり,2番目は頭を振るである.チックの発症から1年以下で受診した場合は,家庭外つまり病院や学校では家庭の中と比較してチックは減少していることが多い.
治療としては,(1)十分な説明,(2)心理面接,(3)薬剤(ハロペリドール),(4)自律訓練法,(5)負の練習法,(6)入院などが用いられる.5歳以下で発症したチック症は十分な説明をするだけで,1-2ヵ月で消失する傾向があり,6歳以上であれば接続しやすい傾向がある.また顔面以外の運動性チックや発声チックを有するときには,面接,薬剤などの治療が必要になる.

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