日本視能訓練士協会誌
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シンポジウム「弱視治療の実際と問題点」 微小斜視弱視
高崎 裕子
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1998 年 26 巻 p. 111-117

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抄録

屈折異常の矯正と健眼遮蔽法で弱視治療を行った,微小斜視14例と屈折性調節性内斜視13例を対象に,微小斜視における診断時期と弱視治療の中止時期,そして経過の観察で注意すべき点などについてretorospectiveに検討した。
その結果,以下のことがわかった。
1.眼位異常が主訴の幼小児で中等度の遠視性屈折異常がある場合,微小斜視の状態で治癒することが多い。2.微小斜視弱視は,7才頃までに診断できるが,弱視治療は11才まで継続すること。3.経過観察中にAC/A比が変化する例では,慎重に二重焦点眼鏡の適用を考慮すること。4.微小斜視弱視の治療予後は,屈折異常の矯正開始年令に左右されるので,3才前半までに屈折異常の矯正を開始すること。
3才児より早期の乳児検診で屈折検査を含めた視機能検査の実施を提唱する。

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