日本視能訓練士協会誌
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早期療育機関における知的障害児の屈折スクリーニング
釣井 ひとみ佐島 毅角田 祥子富田 香
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2000 年 28 巻 p. 127-132

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抄録

知的障害児の屈折異常の早期発見を目的に屈折スクリーニングを行った。0~6歳児(平均3歳5ヶ月)までの知的障害児400例を対象にレフラクトメーターPR-2000®を用いて、子どもの通う通園施設で検査を実施した。400例中391例(97.8%)で再現性のある結果が得られ、±2D以上の要精査対象は165例(42.2%)と高頻度にみられた。疾患別ではダウン症児120例中93例(77.5%)、自閉症児52例中2例(3.8%)、その他の疾患228例中70例(30.7%)が要精査であった。通園施設におけるPR-2000®を用いた屈折スクリーニング検査は、知的障害児においても成功率が高く、有用であることが確認された。知的障害児においては屈折異常が高頻度に認められるが、その視機能管理には検査環境や検査機器を考慮した上で、他覚的屈折スクリーニング検査が重要である。

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