日本視能訓練士協会誌
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小中学校における屈折検査
野原 雅彦高橋 まゆみ
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2001 年 29 巻 p. 115-120

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抄録

小中学校での眼科学校健診において、オートレフラクトメーター使用による屈折検査を導入し、屈折分布や変化を検討した。対象は長野県小県郡丸子町の小中学生1719名で、キヤノン社製RK-3Rを用いて各眼3回以上測定し、その平均値を使用した。
等価球面度数は、小学校1年生+0.09D±0.61D(平均±標準偏差)、2年生-0.17D±0.69D、3年生-0.33D±0.82D、4年生-0.50D±0.92D、5年生-0.62D±1.12D、6年生-0.99D±1.55D、中学校2年生男子-1.09D±1.61D、2年生女子-1.34D±1.39D、3年生男子-1.33D±1.75D、3年生女子-2.07D±2.17Dであった。乱視度数は、学年や男女差はなく0.4~0.6Dであった。学年が進むにつれて近視化していき、標準偏差も大きくなった。中学生では女子の方が近視化傾向が強かった。また教諭の測定した裸眼視力が良好でも、屈折異常が大きくある者がみられた。学校健診において屈折検査を導入することで、屈折状態を把握し適切な指導を行うことができ、有用と思われた。

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