日本視能訓練士協会誌
Online ISSN : 1883-9215
Print ISSN : 0387-5172
ISSN-L : 0387-5172
緑内障視野のFrequency Doubling Technology® (FDT)による検討
島田 真澄小寺 久子椚田 細香肥田野 めぐみ小森 敦子小林 昭子原沢 佳代子臼井 正彦
著者情報
キーワード: 緑内障
ジャーナル フリー

2001 年 29 巻 p. 133-140

詳細
抄録

Frequency Doubling Technology® (FDT)は緑内障を早期発見するための視野計とされている。しかし、実際に測定してみるとFDTのスクリーニング検査(以下スクリーニング)と閾値検査(以下閾値)、また、光覚閾値検査との結果に差のある症例を経験する事がある。そこで、その不一致の実態を検討した。対象は緑内障精査依頼の79例79眼で、FDTのスクリーニングC-20プログラムの異常個数、閾値C-20プログラムの異常個数とMD、PSDおよびHumphrey Field Analizer®(以下ハンフリー)30-2または24-2プログラムのMD、PSDを比較した。スクリーニングで異常なく、閾値で異常が検出された症例は35.4%であり、閾値の方が多く異常をとらえていた。閾値で異常なく、ハンフリーのPSDで異常のある症例は3.8%と少なかったが、閾値に異常があり、ハンフリーPSDで異常のない症例は32.9%と多く、ハンフリーよりも閾値の方が早期に異常を検出している可能性が示唆された。閾値の検査時間は280±25秒とハンフリーの516±198秒よりも短時間で検査できた。以上のことより、FDTの閾値は緑内障の視野異常を短時間で検出でき、有用であると考えられた。

著者関連情報
© 日本視能訓練士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top