日本視能訓練士協会誌
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シンポジウム「視野検査」 各種視野検査機器の特徴
小林 昭子
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2001 年 29 巻 p. 19-30

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抄録

視野検査は、眼科検査のなかでも多くの視能訓練士が担っている。そのために、視野検査機器について理解しておくことは視能訓練士として必須であり、今回その特徴をまとめた。
手動視野計の代表であるGoldmann型視野計は、視野全体を把握でき、小児や高齢者も検査可能である。反面、微細な視野変化をとらえにくい、視野変化を数値化しづらい、検査に時間がかかり検者の技術も必要となるなどの点があり、自動視野計が開発されてきた。視標・背景・測定範囲・測定方法といったストラテジー、固視監視・信頼性指標による信頼性の判定、そして、検査結果の解析方法など各機種とも工夫されている。
また、視標・背景を変えることで、早期発見をめざして細胞レベルでの異常を検出したり、検査時間短縮のため統計を利用した測定方法を採用したり、検査法も一段と進歩している。
視野検査は自動化により誰でもできる検査となったが、自覚的検査であるため被検者の協力が不可欠である。また、視能訓練士の検査説明が不十分だったり、検査中の様子に気をつけていなかったりすれば、信頼性のない結果となる。そして、器械設定の不備はアーチファクトを引き起こす。視野検査は、患者さんと、検者が、機器で、合作するものであることを、視能訓練士として意識しておくことが大切である。

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