2001 年 29 巻 p. 89-102
20世紀末になって、世界的に屈折矯正手術が普及しているが、特にLASIK (laser in situ keratomileusis)の発展はめざましく、我が国でも2000年1月にエキシマレーザーPRKの認可がおりたため、世紀末から21世紀はじめにかけて手術件数も飛躍的に急増していくものと思われる。また近い将来超高齢化社会に突入し、白内障手術の件数もさらに増加するとともにQOV (quality of vision)の要求もさらに高まるものと思われる。
そのため、白内障手術を含めた角膜屈折矯正手術における術前後の視機能評価はますます重要となるが、角膜の形状を大幅に修正された屈折矯正手術眼や人工プラスチック製の眼内レンズを移植された偽水晶体眼の術後検査は術前と同様には出来なくなる。最近の新しい検査機器も登場しているが、その測定原理や結果の判読法を正しく理解していないと大きな落とし穴に陥ることになる。
ここでは、白内障手術を含めた屈折矯正手術における各種視機能検査で陥りやすい落とし穴とその回避方法について代表的なものを解説する。