日本視能訓練士協会誌
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鈴木式アイチェックチャート®の有用性
菅原 友希子鈴木 武敏大場 貴之笹原 格東 礼子
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2003 年 32 巻 p. 139-144

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抄録

高齢化社会とともに、中途失明予防が重要な課題となってくる。「鈴木式アイチェックチャート」(以下、チャート)は、数種類の有色の模様を四方に配置したスクリーニング視野シートである。視野異常を簡単に発見する事を目的として考案された。
我々は、2002年3月1日から7月21日の期間に受診した緑内障患者104名の207眼に対して、このチャートを使用して視野検査のスクリーニングを行った。チャートによる結果とAulhorn-Greve変法の分類で分けたハンフリー視野計の結果とを比較した。チャートを使用して緑内障の暗点を検出できたのは、I期で50%を越え、II期以降では80%から100%であった。緑内障患者の視野異常を発見するスクリーニング検査としてこのチャートの有用性が示された。また、2002年6月24日から7月21日まで、このチャートを使用して初診の患者112名224眼を検査した。チャート上で異常と判定されたのは17.9%で、そのうち偽陽性率は50%であった。チャート上で異常と判定されなかった患者での偽陰性率は6.5%であった。初診患者の8%以上に視野異常を来す疾患を発見できた。初診や検診の視野スクリーニングテスドとして、このチャートを使用することは、視野異常を自覚していない、緑内障や網膜出血、脳疾患患者の発見に役立つであろう。

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