日本視能訓練士協会誌
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成人外斜視手術における手術成果と満足度について
大淵 有理高畠 愛由美小倉 央子吉川 英子佐藤 真由美野村 代志子
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2004 年 33 巻 p. 153-159

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抄録

成人外斜視に対する手術後の斜視角の経過と、大型弱視鏡による両眼視機能検査での改善の有無で手術成果を検討した。また、アンケートによる患者背景と満足度について調査したので報告する。対象は、平成4年11月から平成15年3月までに手術を行い、術後1ヶ月以上経過観察できた20歳以上の成人外斜視50例である。内訳は、間激性外斜視48例、恒常性外斜視2例。術後平均観察期間は1年11ヶ月であった。
術後、斜視角の戻りは少なく、多くの症例で20プリズム以内の外斜位および間歇性外斜視にコントロールされていた。そして大型弱視鏡による両眼視機能は改善がみられた。
アンケートに対する回答は50例中36例(72%)だった。斜視に気付いた年齢は10歳以上が多く、今まで手術をしなかった理由は、手術ができると思っていなかった例が17例と多かった。手術希望の理由は、外見上の問題、疲れるが多く、見えにくいとの理由は30代以降、特に50代以上に多かった。手術後、これらの症状は消失し、手術に満足している例が多かった。

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