労働安全衛生研究
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原著論文
リスクベースド・アプローチに基づく機械安全と製造業界ニーズとの整合についての考察
岡村 隆一
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2010 年 3 巻 2 号 p. 93-101

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抄録
1995年1月,欧州連合として整合,統一された欧州機械指令98/37/ECに端を発した機械安全規格が国際標準機械安全規格となり,WTO/TBT協定(WTO:World Trade Organization:世界貿易機構,TBT:Technical Barriers to Trade:技術的貿易障壁)加盟国は自由流通の阻害要因を取り除く世界共通規格として国家規格に整合し,地球規模での定着が加速されている.国際標準機械安全規格はISO/IEC Guide51の階層構造に沿い,機械系はISO規格,電気系はIEC規格として体系化されている.その中で,現代の機械は殆どが電気を駆動源とした制御で動き,電気安全としての感電/電気火災防止以外に,機械全体の安全監視と異常発生時の危険回避は電気制御でしか対応出来ないのが現実であり,機械安全は電気安全技術の力なしでは達成出来ない事は自明の理である.本稿は先ず機械安全に対する日本の実情を把握した上で,日本の製造業界が国際標準機械安全規格を導入する意義と,機械安全を達成する手段としてのリスクアセスメント手法も交えながら,国際電気標準規格を軸に,特に製造業界が求めている安全な機械を具現化する一つの手法として,国際電気標準規格を導入した標準化の提案と,実施例からその効果を挙げて考察する.
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© 2010 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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