抄録
粉体の貯槽,集じん工程に用いられるサイロやダクト内部では粉体の摩擦等に伴う静電気の発生と帯電によって,静電気放電を着火源とした粉じん爆発が発生することがあり,その結果労働者の火傷などの死傷災害が発生している.本研究では,このような静電気放電を着火源とした粉じん爆発災害の対策の一環として,サイロやダクトなどの金属筐体内で発生する静電気放電を,着火危険性の低い初期の段階で検知するために,ダクトの内部周囲に取り付けられたループアンテナに静電気放電によって誘導される電圧を観測した.その結果,着火性の低いコロナ放電を誘導電圧から検知できることが確認された.コロナ放電による誘導電圧はレベルが小さいことからループアンテナは1m程度の間隔で配置する必要性のあることがわかった.