労働安全衛生研究
Online ISSN : 1883-678X
Print ISSN : 1882-6822
ISSN-L : 1882-6822

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

勤務間インターバルと睡眠時間の組み合わせと 職業性ストレス簡易調査票による高ストレス判定及び病気欠勤の関連
-日本の日勤労働者を対象としたWEB横断調査-
池田 大樹 久保 智英井澤 修平中村 菜々子吉川 徹赤松 利恵
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: JOSH-2023-0006-CHO

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

勤務間インターバルとは,勤務終了後から翌始業までの休息時間のことを言う.本研究は,勤務間インターバルと睡眠時間の組み合わせと職業性ストレスおよび病気欠勤の関連を検討した.本横断調査は,WEB形式で2022年2月に実施した.日勤労働者13,306名に対して勤務間インターバル,睡眠時間,職業性の高ストレス(職業性ストレス簡易調査票),病気欠勤について尋ねた.参加者を勤務間インターバルと睡眠時間に基づき14群に分類し,これを独立変数,高ストレス判定と病気欠勤を従属変数としたロジスティック回帰分析を実施した.その結果,短いインターバル(<11時間)と通常睡眠(≥6時間)や十分なインターバル(15時間)と短時間睡眠(<6時間)の組み合わせで,基準(十分なインターバルと通常睡眠)と比べてオッズ比が有意に高かった.これは,勤務間インターバルと睡眠時間を十分に確保することが職業性ストレスの低減に重要であり,勤務間インターバル制度によりインターバルが十分に確保されても,睡眠時間が短いと健康リスクが生じる可能性を示している.病気欠勤について,短いインターバルと短時間睡眠の組み合わせでオッズ比が有意に低かった.この原因として,勤務間インターバルが短い(長時間働かなければならない)人々は,忙しいために病気欠勤が必要な状況になっても休みを取れずあるいは取らず,結果的にオッズ比が低くなった可能性が考えられる.

著者関連情報
© 2023 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
feedback
Top