日本整形外科スポーツ医学会雑誌
Online ISSN : 2435-5828
Print ISSN : 1340-8577
発育期における上位腰椎分離症の特徴
辰村 正紀奥脇 駿蒲田 久典平野 篤山崎 正志
著者情報
ジャーナル 認証あり

2021 年 41 巻 1 号 p. 61-65

詳細
抄録

はじめに:腰椎分離症の多くが下位腰椎に発生するため,上位腰椎に関するまとまった報告はない.L1からL3が罹患高位となった腰椎分離症の患者背景の解析を目的とし本報告を行なった.

方法:対象をL1からL3に腰椎分離症を有する高校生以下の患者42例67分離とした.男女比,平均年齢,病期,潜在性二分脊椎(SBO),癒合率を調査した.

結果:男性30例,女性12例で,平均年齢は15.5歳であった.初診時の偽関節は26%で,進行期病変が6%,2期病変が7%.同一高位にSBOは存在しなかった.癒合率は86%であった.

考察:上位腰椎の分離症は保存治療で高い癒合率を示した.進行した病変が少なく,同一高位にSBOが存在しないことが影響していると考える.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人日本整形外科スポーツ医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top