日本整形外科スポーツ医学会雑誌
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第48回日本整形外科スポーツ医学会学術集会「東京オリンピックにおけるメディカルサポート」
  • 片寄 正樹, 熊井 司
    2023 年43 巻3 号 p. 83-84
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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  • 中嶋 耕平
    2023 年43 巻3 号 p. 85-92
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
    ジャーナル 認証あり

    コロナ禍の影響で1年延期された第32回夏季オリンピック競技大会は,約半世紀ぶりの自国での夏季大会開催であり,参加者だけでなく,国内の感染拡大にも配慮が求められた.実質的な感染対策は各競技団体(NF)の医事組織と強化部門の連携が重要であり,選手団としては大会直前まで更新されたガイドラインへの対応を要した.自国開催は追い風になると期待されたが,移動の制限や予定変更を強いられる事例もあり,さらにはバブル形成への対応などでその利点が十分に活かせなかった部分もあった.しかしながら,前例のない制約の中でも無事に大会を終了できたことは,今後の「安全な総合競技大会の運営と参加」という点では意義があったと思われる.

  • 近藤 英司, 門間 太輔, 岩崎 倫政
    2023 年43 巻3 号 p. 93-97
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    夏季オリンピック東京大会が2021年7月23日~8月8日の17日間,日本各地で開催された.8月5日~8日は,競歩およびマラソンの5種目が札幌市で開催された.競技会場における医療体制は,国際オリンピック委員会,大会組織委員会,日本および国際陸上競技連盟から成る組織で構成された.7月31日~8月8日の10日間は,選手村である札幌市内のホテル医務室,練習会場および競技会場に医師,看護師および理学療法士等が合計418名配置された.競技に参加した368選手中50選手が選手用医務室に搬入され,48選手(96%)が労作性熱中症と診断された.

  • 富田 一誠, 米川 正悟
    2023 年43 巻3 号 p. 98-104
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    東京2020野球競技の選手用医療は,選手約144名,スタッフ約200名,大会役員約120名が対象で,医師22名,理学療法士51名,アスレティックトレーナー6名が,2交代制で練習・試合会場医療を担った.救急搬送のレベルアップと提供する医療水準の保持のため毎回訓練した.重症例はなく,選手144名中6名で4.2%の医療提供を行った.侍ジャパンの医療サポートは,大会期間中医師1名,公式トレーナー4名で行った.感染症と熱中症対策,コンディショニングに細心の注意を払った.感染者,熱中症患者,重症疾病・外傷は認めなかった.2つのチームは,全員共通の目標に向かって集結し役割を全うし最高の結果を得ることができた.

  • 田島 卓也, 帖佐 悦男, 中村 明彦
    2023 年43 巻3 号 p. 105-110
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    7人制ラグビー競技に対するメディカルサポート体制をオリンピック組織委員会,日本ラグビーフットボール協会およびワールドラグビー(WR)と連携し構築した.無観客となったことやポリクリニックの常設もあり,「マッチデーメディカル」に特化して準備した.WRの定める医療体制指針に沿って,ピッチサイドメディカルケアに関する国際資格を保有するDrを配備した.競技日数6日間全68試合に対しメディカルスタッフとして有資格Dr 40名,歯科医3名,看護師3名,トレーナー6名の合計52名が出務した.11選手が医務室を受診し,1名が股関節脱臼骨折の診断で救急搬送された.Head Injury Assessmentによる脳振盪評価を6名に行い,うち4名が陽性となり退場した.

  • 今給黎 直明, 林 光俊, 荒木 大輔, 福田 直子, 濱崎 圭祐
    2023 年43 巻3 号 p. 111-115
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    2020東京オリンピックで公益財団法人日本バレーボール協会(以下JVA)メディカルグループはインドアとビーチの2競技の主に選手と役員を対象とした会場医療を担当した.われわれは2018年,2019年7月のプレ大会と2020東京オリンピックの医療サポートを担当しており,プレ大会での会場医療も踏まえた2020東京オリンピックビーチバレーボール競技での暑熱環境結果や医療状況について報告する.本大会はコロナ感染第6波の影響により複数の医療有資格者の辞退がありミニマムな医療体制で対応せざるを得なかった.本大会のWBGTは連日28~30℃を超えており,夕方以降に湿度が70~80%と高かったが,プレ大会より熱中症関連の傷病者は少なく,軽微な外傷のみであった.

  • 林 光俊, 今給黎 直明, 若林 良明, 佐藤 謙次, 林 輝幸, 大友 克之
    2023 年43 巻3 号 p. 116-120
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    目的:コロナ下の2021年に行われた2020オリンピック東京大会6人制バレーボール競技有明アリーナ会場におけるメディカルサポートを担当したので報告する.

    方法:日本バレーボール協会メディカルユニットメンバー(医療有資格者)のボランティア約60名を中心に,男女24カ国バレーボール選手役員のメディカルサポートを行うべく,8年前から事前準備,医務室・感染症テント設営,医薬品管理,搬送訓練,診療等を行った.

    結果:競技中断例は7件8例で足関節捻挫(靱帯損傷)が5例,試合棄権は4例で,CPA(心肺機能停止)例はなかった.

    結論:オリンピックという大舞台におけるメディカルサポート経験が,今後のスポーツ医療現場でのレガシーになることを望む.

第48回日本整形外科スポーツ医学会学術集会「アスリートへのメンタルヘルス~メンタルトレーニングとカウンセリング~」
  • 山口 達也, 土屋 裕睦
    2023 年43 巻3 号 p. 121
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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  • 土屋 裕睦
    2023 年43 巻3 号 p. 122-125
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    わが国におけるアスリートへの心理サポートは1960年代のあがり対策に端を発し,現在では単に競技力向上のための支援だけでなく,心理・社会的健康(ウェルビーイング)の保持増進を目的として実施されている.例えば,コロナ禍で延期された東京2020オリンピック・パラリンピック大会では,代表を目指す強化選手の一定数に強いストレス反応の兆候が認められたことから,国立スポーツ科学センターに所属するスポーツメンタルトレーニング指導士らからも協力を得てその対応にあたった.トップアスリートでなくとも,スポーツ傷害や指導者による不適切指導(体罰やハラスメント)を含め,さまざまなストレスを原因として心身に不調を抱える事例があり,アスリートへの心理サポートでは医師との連携が欠かせない.本稿ではスポーツカウンセリング,コーチングを中心にアスリートのウェルビーイングを支援する心理サポートの現状と課題について報告する.

  • 山口 達也
    2023 年43 巻3 号 p. 126-131
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    2021年のオリンピック・パラリンピック2020夏季東京大会,そして昨年冬季北京大会2022は,いずれもCOVID-19流行期間中に開催された過去に例を見ない大会であった.この状況下で,開催前から取り上げられつつあったアスリートの精神・心理面の重要性が注目され始めている.メンタルヘルスの問題から,競技パフォーマンスに関連した問題までアスリートが抱える「主訴」は多岐に及ぶ.また,スポーツ精神・心理面を支える職種も精神科医,スポーツメンタルトレーニング指導士など多彩で,どの主訴をどのように相談したら良いかアスリートが判断しにくい状況に至っている.今回,アスリートの精神・心理領域の支援状況と今後の改善点を,アスリートおよび関係者側と心理支援職側の観点から報告する.

  • 立谷 泰久
    2023 年43 巻3 号 p. 132-138
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    本稿では,ハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)・国立スポーツ科学センター(JISS)・心理グループが行っているトップアスリートへの心理サポートについて述べる.JISS心理グループのサポートには,個別(1対1)サポートとチームサポートがあり,日本代表選手・チームの国際競技力向上に貢献するため,日々活発に活動している.JISSのサポートでは,スポーツメンタルトレーニング(SMT)指導士,臨床心理士/公認心理師,心療内科医の心理分野内,そして医師,リハビリやトレーニングスタッフ等の他分野との連携・協働を実施している.また,2015年から2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた研究を実施し,その成果をサポート活動に役立てている.

  • 中村 珍晴
    2023 年43 巻3 号 p. 139-143
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    本稿の目的は,アスリートのメンタルヘルスについて現状と課題を概観し,その支援方法としてスポーツメンタルトレーニング指導士が提供している心理サポートの内容と特徴について整理することである.はじめに,アスリートのメンタルヘルスの特徴について調査研究の結果をもとに整理し,メンタルヘルス上のリスクとして,摂食障害とオーバートレーニング症候群を取り上げた.次にアスリートのメンタルヘルスをサポートする方法としてスポーツメンタルトレーニングとスポーツカウンセリングについて,両者の違いについて述べた.最後に危機的な出来事に直面したアスリートの心理的成長におけるスポーツカウンセリングの役割について解説した.

 
  • 貴志 真也, 吉田 宗人
    2023 年43 巻3 号 p. 144-148
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    目的:発育期スポーツ選手の腰椎分離症治療後の競技復帰に向けたリハビリテーションと競技復帰指標を検討することを目的とし,発育期スポーツ選手の脊柱起立筋群の筋持久力の特徴について解析することである.

    方法:腰椎分離症治療歴のある群(分離群)と腰椎分離症治療歴のない群(コントロール群)の2群に分け,Sorensen trunk holding testの持続時間と筋電図の減衰率を比較検討した.また,目的変数を分離群とコントロール群,説明変数を腸肋筋,最長筋,多裂筋としてロジスティック回帰分析を行い,2群間で最も影響する筋を検討した.

    結果:腸肋筋・最長筋・多裂筋のmedian frequency(MF)減衰率は分離群で有意に小さかった(p<0.01).2群間で最も影響している筋は多裂筋であった.

    結論:腰椎分離症治療歴のある発育期スポーツ選手では,多裂筋の持久性は優れているが,瞬発性に劣っていることが判明した.

  • 髙橋 基, 中川 泰彰, 向井 章悟, 新屋 裕希, 中村 亮太
    2023 年43 巻3 号 p. 149-153
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    膝関節の自家骨軟骨移植術(OAT)における長期経過後(5年以上)の再鏡視像を調査した.1999年から2009年までに膝軟骨損傷に対しOATを行い,5年以上後に再鏡視を行った3例3膝を対象とした.手術時平均年齢は34±10歳で,大腿骨顆部ICRS分類grade 4の軟骨損傷に対してOATを施行した症例であった.平均期間12.7±4.5年で再鏡視を行い,再鏡視像とICRS再鏡視スコアの調査を行った.結果は3例3膝の移植骨軟骨柱はいずれも良好な生着を得た.ICRS再鏡視スコアは平均9.7/12点であった.膝軟骨損傷に対するOATの移植骨軟骨柱は5年以上の長期経過でも良好な生着と軟骨修復を得た.

  • 相原 望, 山崎 真哉, 大槻 伸吾, 柳田 育久, 安本 慎也, 大久保 衞
    2023 年43 巻3 号 p. 154-158
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    膝前十字靱帯(ACL)再建術後6ヵ月時のACL-return to sport after injury scale(ACL-RSI)に関連する因子を調査した.術後6ヵ月時のACL-RSI score,51点未満(低値群)・62点以上(高値群)の2群に分類し,患者背景,膝関節安定性,膝関節伸展可動域,膝関節伸展・屈曲筋力,主観的評価を比較検討した.高値群(32例)は低値群(30例)に比べ,若年で受傷前活動度が有意に高く,全てのKOOS subscale,Donor site morbidity score,Lysholm score,Anterior knee pain(AKP)scoreが有意に良好であった(P<0.05).ACL再建術後6ヵ月時のACL-RSI scoreと年齢,受傷前活動度,全てのKOOS subscale,Donor site morbidity score,Lysholm score,AKP scoreとの関連が示唆された.

  • 橘 優太, 田中 美成, 田中 綾香, 衣笠 和孝
    2023 年43 巻3 号 p. 159-165
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    若年アスリートのスポーツ活動中に生じた単独半月板損傷のうち,手術例の臨床的特徴を明らかにすること.

    方法:当院で手術を施行した30歳未満のスポーツ活動中の受傷機転が明らかな靱帯損傷を伴わない単独半月板損傷183例を解析対象とした.性別,スポーツ種目,受傷機転,損傷部位について,内側半月板損傷,半月状外側半月板損傷,円板状外側半月板損傷に分けて検討を行った.

    結果:スポーツ種目はサッカーが32%(42例),バスケットボールが14%(18例)と多かった.内側半月板損傷47例のうち32%(15例)が前節~中節の辺縁部での縦断裂で,いずれもサッカーのボールキック動作で生じていた.半月状外側半月板損傷65例のうち43例(66%)が後節を含む辺縁部での縦断裂であった.円板状外側半月板損傷50例のうち,中節の横断裂が17例(34%)と多かった.

    結語:単独半月板損傷の臨床的特徴は,スポーツ現場や日常診療において有用な情報となりうる.

  • 藤原 怜, 鬼木 泰成, 水田 智史, 平岡 史行, 中村 英一
    2023 年43 巻3 号 p. 166-171
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    スポーツ疫学的調査結果は,母集団背景によっては大きく影響を受けることがある.今回,熊本県のチーム背景の異なる高校女子バスケットボール3チームにおける外傷障害を調査し,チーム背景が及ぼす影響について調査した.対象は常に優勝候補のA校14名,ベスト8候補B校の21名,学業優先C校の16名である.外傷障害はAが50件,Bが29件,Cが35件であった.外傷はいずれも下肢が多く,非接触型受傷が多かった.障害はAが体幹骨盤周囲に多く,B, Cは下肢が多かった.Aのみが予防訓練を実施し,反してタイトネスは残存していた.外傷障害は母集団背景で異なっており,予防への介入にはチーム背景に応じた対策が必要と思われた.

  • 阿部 允哉, 村木 孝行, 高橋 晋平, 黒川 大介
    2023 年43 巻3 号 p. 172-178
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    上位,中位および下位胸椎を選択的に伸展させるエクササイズを明らかにすることを本研究の目的とした.野球選手15名を対象とし,静止立位および肩を外旋位で屈曲させて行う4つの胸椎伸展エクササイズ時の胸腰椎角度を測定した.静止立位と比較して,上位胸椎はPole roll overと肩外旋屈曲位スクワット,中位胸椎は座位肩外旋位屈曲,肩外旋位屈曲スクワット,Pole roll over,下位胸椎はPole roll overと座位肩外旋位屈曲によって有意に伸展した.腰椎は座位肩外旋位屈曲と比較しPole roll overで有意に伸展した.Pole roll overは胸腰椎全体を伸展させ,肩外旋屈曲位スクワットは上位および中位胸椎,座位肩外旋位屈曲は中位および下位胸椎を効果的に伸展させる可能性が示唆された.

  • 益田 和明
    2023 年43 巻3 号 p. 179-184
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
    ジャーナル 認証あり

    足関節の慢性的な不安定性は保存的治療で十分な治療効果が得られない場合は手術的治療が考慮される.今回,両側の足関節不安定症に対し,同側の半腱様筋腱を再建靱帯として用い,移植腱固定にはendobuttonおよびinterference screwを使用することにより良好な結果が得られた.

  • 大嶺 俊充, 瀧上 順誠, 内田 愛美, 藤原 和喜, 矢部 和樹, 勝田 紘史
    2023 年43 巻3 号 p. 185-189
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/24
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    本研究の目的は,腰椎分離症骨癒合後に競技復帰したスポーツ選手の腰痛発生率と腰痛を発生したスポーツ選手の身体機能の特徴を検討することである.対象は,発育期スポーツ選手の超初期ならびに初期腰椎分離症症例のうち,骨癒合が得られ競技復帰し,9ヵ月間経過観察できた37名とした.調査項目は,競技復帰後9ヵ月時点の腰痛の有無と身体機能(下肢柔軟性15項目54点満点,腰椎骨盤帯安定性6項目24点満点,運動制御機能9項目27点満点)とした.結果は,腰痛発生率が13.5%であった.腰痛症例は,運動制御機能が低値を示した(p=0.01).運動制御機能の低下が,骨癒合後の腰痛発生に関連している可能性がある.

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