2022 年 42 巻 2 号 p. 105-109
目的:若年型膝離断性骨軟骨炎(JOCD)への保存療法は,内容,評価・治癒率ともに一定しない.骨化不全を伴った成長軟骨損傷が病態であり,軟骨下骨の正常化をCTにて検討し,JOCDの成績不良因子の検討を行う.
対象・方法:JOCD66病変(平均12.5±1.9歳)に対して,体育を含む運動活動のみ制限し,2~3ヵ月ごとのCT矢状断像にて「骨形成し,母床と連続し,健側と同様の関節面を形成する」スライスが90%以上で治癒とした.最終53病変のうち,手術を選択した無効群と,治癒群を比較検討した.
結果:28病変(58%)が平均8.1ヵ月で治癒した.治癒群・無効群の平均初診時年齢は,11.7,13.6歳,平均面積153,350 mm2,平均横径9.7,14.2 mm,平均縦径14.5,22.6 mmと,有意な差を認めた.
結論:JOCDへの保存療法の治癒率は,58%であり,年齢と病変の大きさが治癒率に関与していた.