2023 年 43 巻 1 号 p. 20-25
第5腰椎/仙椎における脊椎手術の半数が腰椎分離すべり症に関連したものであり,腰椎分離症の偽関節化を回避することが重要と言える.一方で発育期の腰椎分離症に対する保存療法の癒合率は進行期において50.9%,末期においては0%と一般の疲労骨折と比較して著しく不良である.本稿では腰椎分離症の進行期の治療として保存療法とBuck法を,末期の治療として分離部ブロックとsmiley face rod法の紹介を行う.また進行期に限らず両側分離例も保存療法における骨癒合率が低いため,これらの癒合予後の不良な分離や早期の骨癒合を望む症例に対しては分離部修復術が適応になると考える.