作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
急性期の複視に対する視覚と体性感覚の統合機構へ治療介入を実践した脳幹梗塞の1例
小柳津 章允
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2022 年 41 巻 6 号 p. 719-724

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抄録

複視により,麻痺眼不使用を認めた 70代男性の急性期脳幹梗塞例に対し,視覚と体性感覚の統合機構への治療介入を実践したため報告する.症例は,右眼(麻痺眼)に内転障害を呈し,左方視で複視を認めた.麻痺眼に眼帯使用など片眼遮断にて生活を行っていたが,歩行などに生活の不自由を感じていた症例に対し,上肢運動覚と視覚の統合を用いた治療介入を週5回を限度として,1日20分,期間は9日間実施した.その結果,両眼使用での生活が可能になり,生活の不自由度も改善された.両眼使用により,(麻痺眼)外眼筋の短縮や萎縮など二次的な変化を予防できたことが,良好な結果につながったと考える.

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© 2022 一般社団法人日本作業療法士協会
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