作業療法
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最新号
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巻頭言
  • 佐々木 努
    原稿種別: 巻頭言
    2022 年 41 巻 3 号 p. 265
    発行日: 2022/06/15
    公開日: 2022/06/15
    ジャーナル フリー
    2021年度から「作業療法」の編集委員を務めさせて頂いている.私の論文が初めて「作業療法」に掲載されたのは17年前,私が作業療法士になって3年目だった.論文指導をしてくれた恩師の手を握り,振り回し,喜びを表現したことを鮮明に覚えている.当時の「作業療法」の状況は詳しくないが,ここ数年の「作業療法」への投稿論文数の増加は,作業療法士の論文執筆活動の高まりを一部には示していると思う.もちろん,作業療法士数の増加,大学院生数の増加,電子投稿システムの導入,エビデンスに基づいた臨床実践を求める社会的気運の高まりなど,投稿論文数の増加に影響した要因が多数あることは承知している.同時に,作業療法関連の研究の質・量ともにまだまだ不十分であることも受け止めているつもりである.いずれにせよ,投稿論文数の増加はポジティブに捉えてよいだろう.
原著論文
  • 横山 雄一, 小林 隆司, 三沢 幸史, 松岡 耕史
    原稿種別: 原著論文
    2022 年 41 巻 3 号 p. 267-275
    発行日: 2022/06/15
    公開日: 2022/06/15
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,回復期リハ病棟に入棟された認知症および認知症疑いのある患者(MMSEのスコアが23点以下)の転帰先への影響因子を明らかにすることである.基本属性,認知機能関連項目,FIM関連項目をカルテから抽出し,退院後の転帰先を「自宅群」「施設群」の2群に分けて解析したところ,「自宅群」130名,「施設群」58名となった.その2群間比較において統計学的に有意差が認められた項目を説明変数として,ステップワイズ多重ロジスティック回帰分析を実施した.その結果,移動手段と記憶障害が重要な因子として抽出され,作業療法士が対象者の認知症状を評価し,チームや家族と共に支援環境を整えていく必要性が示唆された.
  • ─論理的妥当性と表面的妥当性の検討─
    佐藤 晃太郎, 石川 隆志, 浅野 朝秋
    原稿種別: 原著論文
    2022 年 41 巻 3 号 p. 276-284
    発行日: 2022/06/15
    公開日: 2022/06/15
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,「生活行為相互作用評価表」の開発に向けて,原案作成と内容的妥当性の検討を通して試作版を作り上げることである.経験のある作業療法士10名の協力のもと,Nominal Group TechniqueとDelphi法によって内容を収斂し,その後,健常者80名に試行した.その結果,主対象者や実施方法,評価の視点,結果の解釈などを一部改訂し,試作版が完成した.本評価表には生活行為の相互作用を因果的に捉える特徴がある.生活状況や考え方などの質的評価を深める点,相互作用マトリクスによって生活を俯瞰的に分析する点,協業を促進する点などから,作業療法に活用可能な枠組みであることが示唆された.
  • ─複線径路等至性アプローチの分析から─
    相原 彩香, 谷村 厚子
    原稿種別: 原著論文
    2022 年 41 巻 3 号 p. 285-293
    発行日: 2022/06/15
    公開日: 2022/06/15
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,脳卒中患者が回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期リハ)入院中に抱く退院後生活の認識の変容プロセスを明らかにすることである.回復期リハ入院中の脳卒中患者3名に,発症時からの経験と退院後生活の認識についてインタビューを行い,その内容を,複線径路等至性アプローチを用いて分析した.3名は,自身が望む生活と現状に乖離を感じるが,回復の実感に即した助言とプログラムを作業療法士から提供されることにより,社会復帰への自信を取り戻しながら新たに生活を構築するプロセスを示した.以上より,回復期リハ入院早期から,社会的役割が維持できるような目標を脳卒中患者と共有することが必要と考える.
  • ─計量テキスト分析を用いた文献研究─
    川原 宇央, 石橋 裕, 石橋 仁美, 石井 良和
    原稿種別: 原著論文
    2022 年 41 巻 3 号 p. 294-304
    発行日: 2022/06/15
    公開日: 2022/06/15
    ジャーナル フリー
    本研究は,日本で行われている人間作業モデル(以下,MOHO)に基づく作業療法実践の特徴を検討することを目的とした.方法は日本で発表されたMOHOを用いた事例報告を対象に計量テキスト分析を行い,テキストデータからMOHO実践の特徴を捉えた.その結果,最も多く実践で用いられる治療戦略は“明らかにする”であった.また,日本のMOHO実践は7つのカテゴリに分類された.これらのカテゴリのなかでも,クライアントと作業の関係性を明らかにすることに重きを置いていた.実践家はMOHOにより明らかになった作業を基にクライアントの支援を組み立てていた.
  • ─日本版青年・成人感覚プロファイルとインタビューより─
    黒川 飛鳥, 助川 文子, 伊藤 祐子
    原稿種別: ORIGINAL ARTICLES
    2022 年 41 巻 3 号 p. 305-314
    発行日: 2022/06/15
    公開日: 2022/06/15
    ジャーナル フリー
    本研究では,作業療法士の専門性を活かした学校支援を模索する基礎的な知見として,通常学級在籍の中学生の学校不適応体験の背景を深く理解するためにインタビューによる質的研究を行った.すべての対象者に共通性を認めた理論記述は感覚情報処理の特性に関わる内容であった.「感覚の過敏さをもつ中学生にとって教室の環境は落ち着かない」,「感覚刺激への易反応性は学習を阻害する要因となり得る」,「感覚刺激の感じやすさは学校適応や学習を阻害する要因となり得る」,「感覚刺激に対する鋭敏な感じ方は学習を阻害する要因となり得る」などの理論記述が感覚情報処理の特性を示すものとして得られた.
  • 廣瀬 卓哉, 寺岡 睦, 京極 真
    原稿種別: ORIGINAL ARTICLES
    2022 年 41 巻 3 号 p. 315-324
    発行日: 2022/06/15
    公開日: 2022/06/15
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,回復期の脳卒中上肢機能訓練における信念対立の構造を明らかにすることである.構造構成的質的研究を採用し,データ分析にはSteps for Coding and Theorizationを用いた.研究対象者は6名の作業療法士であった.結果は〈治療方針に関わる信念の生成プロセス〉〈上肢機能訓練に関わる信念対立の構造〉〈信念対立解明の手がかり〉の3個のテーマが存在した.信念対立の解明には,自身や他者の治療方針を決定付ける信念の成立根拠を自覚することや,EBPを正確に理解すること,建設的なコミュニケーションをとるなかで対象者の状況に応じた目的を明確化することなどが重要であると考えられた.
実践報告
短報
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