2023 年 42 巻 6 号 p. 701-708
本研究では児童思春期精神科医療に従事する作業療法士にフォーカス・グループ・インタビューを行い,テーマ分析によって児童思春期精神科医療における作業療法士の役割を明らかにした.本研究の結果,子どもとの関わりに作業(遊び)を活かすことは作業療法士の専門性であり,子どもの自己肯定感と自己効力感を向上させ,生きる力を育むことが作業療法士の役割と考えられた.一方,現行の診療報酬に作業療法士が明記されておらず収益に繋がらないことなどが課題として挙げられた.こうした現状を打開するべく,作業療法士同士のネットワークを構築して研鑽を図ることや児童思春期精神科作業療法の効果研究などを積み重ねていく必要がある.