2025 年 44 巻 4 号 p. 416-426
本研究の目的は,回復期リハビリテーション病棟入院患者のQOLに不安が影響しているかを検討することである.対象の60名に二項ロジスティック回帰分析を用いて,従属変数のQOLはSF-36下位項目,独立変数は不安評価のSTAI(状態不安:一時的な不安・特性不安:不安を抱く性格傾向)を用いて分析した.退院前SF-36の全体的健康感と心の健康に影響を及ぼす因子として,状態不安と特性不安の双方が選択された.本研究により,状態不安と特性不安の2つが精神的健康のQOLに影響していることが明らかになり,入院当初から状態不安・特性不安の視点を考慮し,不安を多面的に評価することが重要であることが示唆された.