抄録
本研究は生物集団の進化過程に着想を得た遺伝的アルゴリズム (GA) を用いて, FWDによって得られた舗装表面たわみから舗装構成層の弾性係数を逆解析する手法を開発したものである.まず多層弾性理論によって算出される舗装表面のたわみを入力条件として与え, 本手法による逆解析を行ったところ, 十分な精度で舗装体の弾性係数を推定できることが確かめられた.また, 実際にFWDによって測定されたコンクリート舗装のFWDデータについても本手法を適用して逆解析をおこなった.その結果, 従来の逆解析手法では適切な解が得られなかったケースにおいても良好な弾性係数を推定できる場合のあることが分かった.