1996 年 5 巻 p. 69-74
通信管路の異常は地震や地盤の沈下など外的な要因のほか, 腐食など経年変化によって発生する.これらの大部分は異常部位に形状の変化をともなうことから, 管路内の異常形状を検出することは通信管路の検査に有効である.本論文では管路の音響反射特性をインパルス応答として同定し, そのインパルス応答から管路の各位置における反射率を近似的に推定することにより断面形状を再生する手法を提案する.また, 数値シミュレーションおよび試作システムによる現場実験結果から通信管路の異常診断への適用について検証した結果について述べる.