抄録
ウェーブレット変換 (WT) はデータを空間及び周波数領域で同時識別する解析法であり, 近年, 路面性状評価の新たなツールとして用いられている. しかし, WTは周波数分解性能が高周波領域で劣化するため, 特定の周波数帯域の検出は困難である. ウェーブレットパケット変換 (WPT) はこの点を改良したものであり, 周波数帯域を一定の精度で分解することができる. 本研究はWPTを路面プロファイルデータに対して適用し, 舗装マネジメントにおけるWPTの有効性について考察した. PIARCEVENデータを用いて分析した結果, WPTは路面平坦性など解析対象周波数帯が広範囲かつ高次の分解を要する場合, 特に有効であることがわかった.