抄録
本論文は、橋梁の色彩選定における合理的な定量的指標の提案を目的とした橋梁色彩評価システムを確立するため、特にその中で定量的色彩評価法に基づく色彩調和判定法をイメージアンケートにより評価・検証するものである。まず、我が国の典型的な橋梁に対するSD法によるイメージアンケートを実施し、その因子分析の結果から人の感性と橋梁景観のカラーイメージ構造を明らかにする。次に、橋梁画像データのカラーデータ値 (色相H、彩度S、明度B) を用いた色彩評価法により、景観を構成する橋梁と背景の間の色彩調和を景観評価指数1値とムーン・スペンサーの色彩調和理論より判定する。そして、イメージアンケートにより調和と判定される橋梁景観とHSBによる色彩調和判定結果を比較・検討し、色彩調和判定法の適応性と妥当性を議論する。