近年アメリカの大都市では市街地住区の形態を見直そうとする動きが活発であり、こうした意識は従来の都市開発やアーバンデザインの考え方を空間的にも社会的にも再検討する大きな潮流となっている。こうした流れは一般的に"ニューアーバニズム"と呼ばれ、アーバンエッジエリアの郊外開発のみならず、都心部地域での大規模な複合用途開発の様々な影響を周辺住区との関連から検討し直す動きへとつながっている。本研究は、カリフォルニア州サンフランシスコのダウンタウンに開発されたYERBA BUENA CENTER(YBC)プロジェクトの開発計画策定プロセスを検証することにより、地域の空間像、生活像、社会像がどの様に計画に反映されているかを明らかにし、そこから大規模開発が地域と一体化して都心部を更新していくあり方を探ろうとするものである。