都市計画論文集
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地方都市都心周辺部の住宅ストックと世帯の多様性に関する研究
長岡市をケーススタディーとして
花田 信介樋口 秀
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2003 年 38.3 巻 p. 55-60

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抄録
現在、地方都市の多くでは中心部人口が減少している。都市が居住機能を持続させるためにも、居住機能にほぼ特化し多くの世帯を抱える都心周辺部での人口・世帯確保が重要である。さらに、持続性ある住宅地を築くためには、世帯のライフステージ変化による世帯構造・世帯規模変化に対応し得なければならない。 そこで本研究は、長岡市をケーススタディとして、地方都市都心周辺部の住宅ストックと世帯の関係性に着目し、居住世帯像の差異、住宅と世帯構造変化の関わりを明らかにし、多様な世帯が住まえる地区住宅ストック像を明らかにすることを目的とする。 まず、国勢調査より、都市全域の世帯と住宅ストックの状況を把握し、エリアによる特性および都心周辺部の特性を明らかにし、6つのクラスターに類型化した。次に、現状の世帯・住宅ストック構造から、4地区を抽出し、それらの地区を対象にアンケート調査を実施した。世帯構造変化のメカニズムと住宅ストックと世帯の関係を把握した結果、持続的な住宅地を築くためには、戸建持家に居住する前段階の若い家族世帯向けの住宅の整備が必要であることを示した。その具体策として、住民の賛成意見が多数を占める借家利用を想定した戸建住宅ストックの整備が有効であることを明らかにした。
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© 2003 公益社団法人 日本都市計画学会
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