2003 年 38.3 巻 p. 781-786
全国に存在する顧客へのサービスを行なうために、企業は支社を各地に配置している。都市間交通サービスの整備は、このような支社配置に「ストロー効果」などの影響を及ぼす。本論文は、1990年と 1995年の業務旅客順流動データに基づきそれぞれの年次における都市間の業務ネットワークの構造を逆推定し、その変化を分析する。さらに本社支社機能の変化と、各地域での管理的職業就業者の変化を照合する。分析の結果、東京を中心とする集中型の企業の構成比が減少する一方で、大阪中心の集中型企業、東京中心の分散型の企業の割合が上昇し、それが管理的職業の関東地方での減少と関西地方での増加に対応していることがわかった。