2005 年 40.3 巻 p. 55-60
近年、人間による生活活動の環境負荷に及ぼす影響を定量的に検討することが、都市政策をめぐる重要な局面で要請されるようになってきている。特に持続可能性という観点から、様々な土地利用政策の貢献可能性を提示することは、今後必要とされるにも関わらず、実証レベルでの検討が十分に進んでいない分野といえる。そこで本研究では、従来マクロな観点で導入されていたエコロジカルフットプリントの概念を、市町村レベルの環境負荷指標として用いることのできる分析ツールを提案し、地域毎の政策の方向性を議論するための指標として実際に定量化を試みる。その結果、無秩序な開発や土地利用政策が将来の環境負荷量に及ぼす影響を統計的に明示することができた。